まずはお口の意識改革からインプラント

安易に
インプラントの治療を受けないで

院長 植草 肇

いきなりこのようなタイトルで驚かれた方もいらっしゃるかと思います。しかしこれは本当です。
インプラント治療は入れ歯やブリッジに代わる最新の歯科治療のひとつです。不幸にも自分の歯を失ってしまった方にとっては、他の歯を削ることなく、また入れ歯のように歯ぐきの痛みや取り外しをするストレスもなくなる為、優れたな治療法の一つといえます。
しかし、「歯が抜けたら即インプラント」という安易な考え方ではお勧めできる治療とはいえません。

確かに入れ歯やブリッジに比べメリットの多い治療法と言えますが、予防治療や咬み合わせ治療、将来的なメインテナンスに至るまで、きちんと考慮された治療計画に則って治療されなければその寿命も短くなります。 この植草歯科医院 インプラントインフォメーションではインプラント治療を選択する上で必要な注意事項や心構えなどを解説しております。 皆様がインプラント治療について正しく理解され、その上で治療選択を行っていただけるように努めて参ります。

治療としての選択肢

口腔インプラントはここ10年ほどでさらに研究が進み、各インプラント体の品質も良くなりシステムも確立されてきたため、急速に臨床応用されるようになってきました。

経過もよくなり、すでに安心して使用できるレベルに達しています。そのため大学病院や大きな総合病院などだけでなく、きちんとした研修を受ける事によって個人の開業医でも治療可能となってきました。

インプラントをする際はインフォームド・コンセントを大切にする歯科医院を!

まずは治療に入る前に、現在あなたが何に悩んでいるのか、どうしたいのか、将来的にどうなりたいのか、など、時間をとって話しをきちんと聞いて理解しようとしてくれる医院を選びましょう。 その上で細かい術前診査が行われ、インプラント治療に限らず、お口の中全体の状況を総合的に診断し、その情報をきちんと説明してくれる医院を選びましょう。

インプラント治療は自分の体の中に人工物が埋め込まれる治療になりますし、費用もその他の治療と比べて高額なものになります。その治療計画、期間、費用などについてもしっかりインフォームド・コンセント(正しい情報を得た上での合意)がなされ、不明な点をなくしてから治療に臨める歯医者さんを選んでください。

術前審査としてCT検査ができる環境・システムのある医院

インプラント治療では、その患者様の顎の骨の幅や厚み、骨密度、神経血管の走行状態などによって手術の難易度が決まってきます。すべての症例に必要というわけではないと思いますが、できれば事前に顎の骨の3次元的な詳しい情報のわかるCT撮影が行える環境か、システムがあればより安全な手術を行うことができます。

手術に集中できる専用の手術室、あるいは個室の整備されている医院

インプラント治療には外科処置が伴います。そのため手術には一定レベル以上の清潔な環境が必要です。
一つの部屋の中で多くの患者様が同時に治療する環境の中で手術するよりは、周りの雑然とした環境とは切り離され、飛沫感染の危険性が低い専用の手術室や個室が整備され集中して手術できる環境の整った病院がよいでしょう。

感染予防対策をしっかり行っている医院

近年、B型、C型などの各種肝炎ウイルスやHIV感染が取りざたされています。
これらのウィルス感染症は血液を介して感染していきます。インプラント治療には外科処置が必要なため、使用する器具機材の滅菌消毒が不十分だった場合これらの病気に感染しないとも限りません。器具機材の十分な滅菌消毒態勢と手術環境が整っていてこそ安心して治療をうける事が可能になります。

安心と安全への取り組み

オープンタイプの診療室は一見開放的ですが、歯を切削した際の切削片や血液の飛沫による感染の危険性があります。植草歯科医院では飛沫感染の防止とプライバシー保護のため、完全個室による診療を行っております。
また、植草歯科医院では、専門の口腔外科医の指導のもと全てのスタッフが院内外の研修を行っております。
様々な細菌やウイルスの多くは、空気や、直接の接触、保菌者の血液などを介して感染していきます。出血を伴う処置の多い歯科治療でも、器具の滅菌消毒などが不十分な場合、これらの感染症に感染しないとは言い切れません。

インフェクションコントロールとはこれらの細菌、ウイルスに対する院内感染防止対策を意味します。植草歯科医院では、これらの細菌・ウイルス感染症から患者さんを守り、安心して歯科治療を受けていただけるよう、スタンダードプレコーションに準じた完全なインフェクションコントロールを行っております。また、インプラント治療をはじめとする各種外科処置に際し、高精度の血圧計を導入し患者さんの全身状態の把握に努めております。

インプラント治療のメリット

メリット01

歯を削ったり、抜かなくてもいい

ブリッジを入れる時の様に、隣の歯を削る必要がないため、健康な歯をそのまま保存する事が可能です。

メリット02

周りの健康な歯に負担をかけない

入れ歯のように留め金をかけることにより、周りの健康な歯に負担をかけて悪くしてしまう事がありません。

メリット03

着脱の煩わしさ、違和感、異物感がない

固定式のため、入れ歯の様な着脱の煩わしさや、違和感や異物感がありません。

メリット04

自分の歯のような感覚がある

自分の歯と同じような感覚で噛むことができます。

メリット05

噛む力が回復

噛む力も自分の歯と同じくらいまで回復できます。

メリット06

歯の見た目が回復

見た目もほぼ自分の歯と同じ様に回復できます。

メリット07

修復処置の制限はない

失った歯の数や場所による修復処置の制限はありません。

メリット08

長期にわたり、安定が保てる

咬み合わせを長期にわたり、安定的に保つ事ができます。

メリット09

入れ歯の固定装置として

入れ歯の固定装置としても使えます。

インプラント治療のデメリット

デメリット01

外科手術が必要

インプラントの埋入には局所麻酔下による外科処置が必要です。そのため、術中の出血、術後のある程度の痛みや腫れを伴います。また、化膿止めや消炎剤、鎮痛剤などの投与が必要になります。

デメリット02

全身的な病気がある場合、 すぐに手術ができない事がある

外科処置が必要なため、麻酔や手術のストレスにより血圧の上昇しやすい高血圧症の方、出血性因子を持つ病気や、心臓病、脳梗塞などの既往があり、血液の抗凝固剤などを服用している方、傷の治りにくい糖尿病の方などは直ぐに手術できないことがあります。

デメリット03

治療期間が長くかかる

インプラントの埋入方法には、大きく分けて一回法と二回法があります。
インプラント治療を成功させるには、インプラントを埋め込んだ後、歯ぐきを一度閉じて待つ2回法が確実です。その場合、3~4ヶ月、症例によっては6ヶ月程度、インプラント体と骨がしっかり結合するまで待たなければなりません。最終的な修復処置はその後になります。

デメリット04

特殊な検査が必要

インプラント体を埋め込む顎の骨の中には、特定の神経や血管が走行しています。手術の際それらの神経血管を損傷しないためにも事前にその正確な位置を把握しておく事が必要です。また、埋め込むインプラントの直径や長さを検討する上でも正確な顎骨の高さや厚み、密度などを把握しておく事が必要です。
そのために、CT撮影などの特殊なX線撮影と審査が必要な場合があります。

デメリット05

骨移植や造成法が必要な場合がある

審査の結果、極端に骨の量や幅が少ない場合は、インプラント体を埋め込む事ができないため、骨移植や、人工骨の補填、骨の再生療法などが必要になる場合があります。

デメリット06

治療費が高額になる

インプラント治療は現在の歯科治療の中でも最新技術の一つと位置づけられています。行うには、口腔外科的な知識や特別な研修、経験が必要です。治療費は、設備費+材料費+人件費+技術料などが加味され総合的に決まります。
一般的には、CT検査、術前模型やインプラントを埋める位置を決めるステント製作など、手術~修復処置を経て噛めるようになるまで、1本当たり30~50万円位かかるのではないでしょうか。インプラントの費用は決して安いものではありません。しかし、一定レベル以上の成果をあげるにはある程度の費用がかかってしまうのが現実です。

デメリット07

成功率は必ずしも100%ではない

成功率は90%以上といわれていますが、100%でないことも事実です。
術者の技量不足、患者様の全身の状態、喫煙習慣、お口の衛生状態の不良などにより、術後感染を起こし、インプラント体と骨が結合しない場合もあります。

こんな人はインプラント治療を考えてみてはいかがですか?

  • ブリッジにするために、隣の健全な歯を削られたくない。
  • ブリッジの支えの歯がダメになってしまい、入れ歯になってしまった。
  • 部分入れ歯の留め金をかけていた歯がダメになり、抜歯することになった。
  • 歯が悪くなり、小さな部分入れ歯からだんだん大きな入れ歯になってきた。
  • 部分入れ歯の留め金が見えて恥ずかしい。
  • 年寄りくさくなるので入れ歯をいれたくない。
  • 自分はまだ入れ歯を入れる年齢ではないと思っている。
  • 入れ歯のために人前で恥ずかしい思いをしたことがある。
  • 入れ歯は痛くても人前では外せない。
  • 入れ歯はすぐに外れてしまい、うまく噛めない。
  • 入れ歯は取り外しが面倒である。
  • 入れ歯はうっとおしくていれてられない。
  • 入れ歯では話しづらい。カラオケでもうまく歌えない。
  • 入れ歯では痛くて自分の好きな物や、硬いものが食べられない。
  • 入れ歯では周りの人と同じ早さで食事ができない。
  • うまく噛めないので胃の調子が悪い感じがする。
  • 自分の好きな物が何でも食べられるようにしたい。
  • よく噛んで食べ、全身の健康にも注意したい。

インプラント治療を受ける前の心構え

歯が抜けてしまう大きな原因の一つとして、虫歯や歯周病が考えられます。

歯を失った原因がそのまま残っている汚れたお口の中、すなわち虫歯や歯周病が進行した細菌だらけのお口の中に新たにインプラントを埋め込んでも、そのインプラントも感染を起こしやがて抜け落ちてしまったり、一度治療した後、別の歯が抜け、また新たにインプラントを入れなければならなくなったりと、延々と治療がつづくことになってしまいます。

植草歯科医院では、安易にインプラントを埋め込む前に患者さんと一度「なぜインプラントを入れなければならなくなったのか?」ということをよく考えています。歯磨きの習慣や方法を改善し、お口の中の環境を清潔な状態に保ち、虫歯や歯周病を予防するという意識を持たない限りは高額なインプラント治療をしてもあまり意味が無いように思えます。

インプラント治療を受ける前にまず考えなければならない事

植草歯科医院でインプラント治療を受ける際、まずは意識を変えもらうようにしています。

治療の大きな目的はインプラントを入れる事ではありません。失われたお口の機能を回復し快適な生活がおくれるようにする事です。
そのためには残った歯をできるだけ長く保存し、2度とインプラントを入れなくてもすむよう、虫歯や歯周病をしっかり予防すると言うことを考えなければなりません。また同時に、お口全体の咬み合わせや、すでに入っている修復物の形態なども総合的に見ていかなければなりません。

  • 残っている歯をできるだけ長く保存し、2度とインプラントを入れなくてもすむよう意識を変える。
  • そのために正しい歯磨きの仕方と習慣を身につけ、お口の中を清潔に保ち虫歯や歯周病を予防する。
  • 既存の修復物や、咬み合わせ全体のチェック、修正をする。
  • 最後に、歯を失った部分の修復方法の一つとしてインプラントを選択する。
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